先進医療 [ せんしんいりょう ]

用語解説


先進医療とは、厚生労働省が定める「評価療養」の一つで、公的医療保険の対象外となる高度で新しい医療技術のうち、安全性や有効性が一定程度認められ、将来的な保険適用を目指して実施されている医療のことを指します。
最先端の治療を受ける道を開きつつ、患者の経済的負担を完全に自己責任にしないための中間的な位置づけの制度です。

先進医療の大きな特徴は、治療そのものにかかる「技術料」は全額自己負担となる一方で、診察料や検査費、入院基本料など、通常の医療行為に該当する部分については健康保険が適用される点にあります。
つまり、「すべてが自由診療」ではなく、保険診療と保険外診療が併用される形です。
これを「混合診療」と呼びますが、先進医療は国が特例として認めている混合診療の代表例といえます。

対象となる医療技術は、がん治療を中心に多岐にわたり、陽子線治療や重粒子線治療、特定の高度手術、先端的な検査技術などが含まれます。
ただし、どの医療機関でも受けられるわけではなく、厚生労働省が認定した医療機関でのみ実施可能です。
そのため、治療を希望する場合は、事前に対応医療機関や適応条件を確認する必要があります。

費用面では、技術料が数十万円から数百万円に及ぶケースもあり、患者にとって大きな負担となることがあります。
このため、民間の医療保険に付帯する「先進医療特約」を利用して費用を補填するケースや、医療ローン先進医療ローンを併用する例も少なくありません。高額療養費制度は適用されない点も、あらかじめ理解しておくべき重要なポイントです。

先進医療は「必ず効果が保証された治療」ではなく、あくまで評価段階にある医療であるため、主治医との十分な説明と納得のうえで選択することが不可欠です。
最新技術に希望を託す選択肢であると同時に、医学的・経済的な側面を総合的に判断することが求められる医療制度だといえるでしょう。