奨学金の返済が苦しい時の相談先は?JASSOの猶予制度から債務整理まで5段階で紹介

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「今月の奨学金がどうしても払えない」

「このまま滞納してしまったらどうなるのだろう」

と、不安を感じていませんか。奨学金は多くの人にとって卒業後の大きな返済負担となり、収入の減少や病気、失業などが重なると返済が難しくなるケースも少なくありません。

しかし、日本学生支援機構(JASSO)には、返済額を減らしたり一定期間返済を待ってもらったりできる公的な救済制度が用意されています。

こうした制度を知らないまま滞納を続けてしまうと、延滞金の発生や保証人への請求、最終的には差し押さえといった深刻な事態につながる可能性もあります。

大切なのは、一人で悩み続けるのではなく、早めに状況を整理して適切な相談先に連絡することです。

本記事では、奨学金の返済が苦しいと感じたときに取るべき行動を、JASSOの救済制度から債務整理まで5つのステップに分けてわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、自分に合った解決策を見つけるヒントが得られるはずです。

奨学金が払えないと感じたら最初に確認すべき3つのポイント

奨学金の返済が苦しいと感じたとき、最も避けたいのは何もせずに放置してしまうことです。

滞納が続くと延滞金が発生するだけでなく、保証人への請求や法的措置につながる可能性もあります。

まずは冷静に現状を把握し、必要な窓口へ早めに相談することが大切です。

ここでは、奨学金が払えないと感じたときに最初に確認しておきたい3つの行動を紹介します。

JASSO奨学金相談センターへ相談する

返済が難しくなった場合は、まず日本学生支援機構(JASSO)の「奨学金相談センター」へ相談しましょう。

相談窓口では、現在の状況に応じて減額返還制度や返還期限猶予制度などの救済制度を案内してもらえます。

電話番号は「0570-666-301」で、受付時間は平日9時〜20時です。

問い合わせの際は、奨学生番号が分かる書類を手元に用意しておくと手続きがスムーズに進みます。

(参考:日本学生支援機構「返還に関するお問い合わせ」
https://www.houterasu.or.jp/uploaded/attachment/5671.pdf

スカラネット・パーソナルで返還状況を確認する

次に、JASSOのオンラインサービス「スカラネット・パーソナル」にログインし、自分の返還状況を確認しましょう。

このサービスでは、

  • ・これまでの返済履歴
  • ・今後の返還予定
  • ・残りの借入金

などを確認できます。

現在の収入や生活費と照らし合わせることで、どの程度の負担があるのか、どの制度を利用すべきかを判断しやすくなります。

(参考:日本学生支援機構「スカラネット・パーソナル」
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/oyakudachi/sukara_ps/index.html

保証人や家族へ早めに状況を共有する

奨学金の返済が厳しいときは、連帯保証人や保証人、家族にも早めに状況を伝えておくことが大切です。

奨学金の滞納が続くと、最終的には保証人へ一括請求が行われる可能性があります。

早めに共有しておくことで、家計の見直しや一時的な援助など、現実的な対策を一緒に考えることもできるでしょう。

話しにくい内容ではありますが、トラブルを大きくしないためにも、早めの相談が重要です。

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奨学金の返済額はいくら?平均返済額と負担の目安

奨学金の返済に悩んでいるのは、決して珍しいことではありません。

現在では大学生の約半数が奨学金を利用しており、卒業後に返済負担を感じる人も少なくないのが現状です。

まずは一般的な返済額の目安を知ることで、自分の状況がどの程度の負担なのか客観的に確認してみましょう。

平均的な返済額を把握することは、減額返還や猶予制度などの対策を検討する際の判断材料にもなります。

JASSO奨学金の平均返済額

日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、大学卒業後の奨学金返済額は月1万円〜2万円程度になるケースが多いとされています。

貸与額や返済期間によって異なりますが、多くの人が卒業後すぐに返済を開始し、15年〜20年程度の長期間にわたって返済していく仕組みです。

社会人になったばかりで収入が安定しない時期や、一人暮らしで生活費がかさむ状況では、この月1〜2万円の固定支出が家計を圧迫する要因になることもあります。

(参考:日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」
https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/__icsFiles/afieldfile/2024/03/25/data22_all.pdf

月1〜2万円の返済が多い理由

月々の返済額が1〜2万円程度になる理由は、大学在学中に借りる総額と返済期間の設定にあります。

例えば、第二種奨学金で月5万円を4年間借りた場合、借入総額は約240万円になります。

この金額を約20年で返済するケースでは、毎月の返済額はおよそ1.3万円〜1.5万円前後になることが一般的です。

しかし、非正規雇用や収入の不安定な状況では、この金額でも大きな負担になることがあります。

特に近年は生活費や物価の上昇もあり、想定されていた返済計画が現実と合わなくなるケースも増えています。

STEP1|JASSOの「減額返還制度」を利用する

「奨学金を全く払えないわけではないけれど、今の返済額では生活が厳しい」という場合は、JASSOの減額返還制度を利用する方法があります。

この制度を利用すると、毎月の返済額を2分の1または3分の1に減らすことが可能です。

返済期間は延びますが、元金や利息の合計額が増えることはないため、家計の負担を抑えながら返済を続けることができます。

無理をして滞納してしまうよりも、制度を活用して計画的に返済を続けることが重要です。

減額返還制度の仕組み

減額返還制度とは、申請することで一定期間、毎月の返済額を減額できる制度です。

1回の申請につき12ヶ月間減額され、必要に応じて更新することで最長15年(180ヶ月)まで延長できます。

例えば、毎月2万円の返済が厳しい場合、3分の1に減額すると約6,700円程度まで負担を軽くすることが可能です。

返済期間は延びますが、延滞金が発生することはないため、生活を立て直しながら返済を続けられる点が大きなメリットです。

(参考:日本学生支援機構「月々の返還額を少なくする(減額返還制度)」
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/gengaku/index.html

減額返還制度の申請条件

減額返還制度を利用するには、一定の収入基準を満たしていることが条件になります。

一般的には

  • ・給与所得の場合:年収325万円以下
  • ・給与所得以外:所得225万円以下

などの基準が設けられています。

また、災害や病気など特別な事情がある場合も対象となることがあります。

注意点として、すでに返済を滞納している状態では申請できない場合があるため、「来月から返済が厳しくなりそう」と感じた時点で早めに手続きを検討することが大切です。

申請には所得証明書や願出書などの書類提出が必要になります。

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STEP2|返済を一時停止できる「返還期限猶予制度」

失業や病気などの理由で「今はまったく返済できない」という場合には、JASSOの返還期限猶予制度を利用する方法があります。

この制度は、奨学金の返済そのものを一定期間ストップできる仕組みです。

借金が免除されるわけではありませんが、返済期限を先送りすることで生活を立て直す時間を確保できます。

申請が認められた期間中は、延滞金が発生せず督促も停止されるため、精神的な負担を大きく減らすことができます。

猶予制度の対象条件

返還期限猶予制度は、以下のような事情がある場合に利用できます。

  • ・収入が少なく返済が困難(年収目安300万円以下)
  • ・失業中
  • ・生活保護を受給している
  • ・病気やケガで働けない
  • ・災害などの被害を受けた場合

一般猶予と呼ばれるこの制度は、通算10年(120ヶ月)まで利用可能です。

また、産前産後休業や育児休業、大学院への進学などの事情でも申請できる場合があります。

無職の場合でも、離職票や雇用保険受給資格者証などの書類があれば申請できるため、返済が難しいと感じた時点で早めに相談することが重要です。

(参考:日本学生支援機構 「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/index.html

申請手続き

返還期限猶予制度の申請は、JASSOの公式サイトから「奨学金返還期限猶予願」をダウンロードし、必要書類を添えて提出することで行えます。

また、オンラインサービス「スカラネット・パーソナル」から申請できる場合もあります。

猶予期間は原則1年ごとの更新となるため、継続して利用する場合は再申請が必要です。

すでに延滞してしまっている場合でも、病気や経済的困難など正当な理由が認められれば、猶予が適用されるケースもあります。

まずは、現在の収入状況や失業の事実などを証明できる書類を準備し、早めに手続きを進めることが大切です。

(参考:日本学生支援機構 「返還期限猶予制度の申請手続き」
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/yuyo/about.html

STEP3|滞納するとどうなる?差し押さえまでの流れ

奨学金の救済制度を利用せずに滞納を続けてしまうと、状況は徐々に深刻化していきます。

日本学生支援機構(JASSO)は公的機関ですが、返済義務のある奨学金については法律に基づき回収手続きを行います。

滞納期間が長くなるほど督促の段階が進み、最終的には給与や銀行口座の差し押さえに至る可能性もあります。

ここでは、滞納から強制執行までの主な流れを確認しておきましょう。

信用情報に延滞情報が登録される

返還期日から3ヶ月以上滞納すると、個人信用情報機関に延滞情報が登録される可能性があります。

いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状態になり、

  • ・クレジットカードの新規発行
  • ・自動車ローン
  • ・住宅ローン

などの審査に通りにくくなります。

この信用情報は、完済後もしばらく(一般的には約5年程度)記録が残るため、将来のライフプランに影響する可能性があります。

債権回収会社から督促が始まる

滞納が4ヶ月〜9ヶ月程度続くと、JASSOから委託を受けた債権回収会社(サービサー)から督促が行われる場合があります。

電話や郵送による連絡が増え、返済や制度利用についての案内が届きます。

この段階では、返還期限猶予制度などの利用を案内されることも多く、まだ解決の余地が残されています。

ただし、督促を無視し続けると、法的手続きに進む可能性があるため注意が必要です。

最終的には給与や口座が差し押さえられる可能性

滞納が9ヶ月以上続くと、裁判所を通じて支払督促などの法的手続きが進められる場合があります。

その結果、銀行口座の預金や給与などの財産が差し押さえられる可能性があります。

給与差し押さえの場合、手取り額の4分の1程度が返済に充てられることが一般的です。

また、給与差し押さえが行われると勤務先にも通知されるため、仕事や生活への影響も避けられません。

このような状況になる前に、減額返還制度や返還期限猶予制度などを早めに利用することが重要です。

STEP4|借金がある場合は債務整理も検討する

奨学金だけでなく、カードローンやクレジットカードなどの借入が重なり、返済が難しくなっている場合は、債務整理という法的な解決方法を検討する必要があります。

債務整理には、将来利息をカットして返済負担を軽くする「任意整理」や、借金を大幅に減額する「個人再生」、すべての返済義務を免除する「自己破産」などがあります。

生活を立て直すための制度として利用されるものであり、一人で抱え込まずに弁護士や司法書士へ相談することが重要です。

任意整理

任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、将来利息をカットしたうえで3〜5年程度での分割返済を目指す手続きです。

ただし、奨学金はもともと低金利であるため、奨学金自体を任意整理するメリットはあまり大きくありません。

そのため、任意整理が有効になるのは、カードローンやクレジットカードなどの高金利の借金がある場合です。

民間の借入の利息負担を軽減することで、浮いたお金を奨学金の返済に回せる可能性があります。

個人再生・自己破産

借金の総額が大きく、自力での返済が難しい場合は、裁判所を通じた手続きである個人再生や自己破産が選択肢となります。

個人再生は借金をおよそ5分の1〜10分の1程度に減額し、残りを分割で返済する制度です。

住宅ローン特則を利用すれば、自宅を残せる可能性もあります。

一方、自己破産は裁判所の手続きによって借金の返済義務を免除してもらう制度です。

ただし、これらの手続きを行うと、奨学金の保証人(親や親族)に返済義務が移る可能性があります。

トラブルを避けるためにも、必ず事前に保証人へ説明し、専門家のアドバイスを受けながら進めることが大切です。

STEP5|どうしても返済が厳しい場合は専門家へ相談する

JASSOの救済制度(減額返還・返還期限猶予)を利用しても返済が難しい場合は、弁護士や司法書士などの専門家へ相談することも重要な選択肢です。

一人で悩み続けていると精神的な負担が大きくなるだけでなく、滞納が長引いて法的措置へ進んでしまう可能性もあります。

専門家は収入や借入状況を客観的に確認し、債務整理などを含めた最適な解決策を提案してくれる存在です。

まずは相談できる窓口を利用し、状況を整理することから始めましょう。

弁護士や司法書士に無料相談できる

奨学金や借金の返済に悩んでいる場合、弁護士や司法書士による無料相談サービスを利用できます。

多くの法律事務所では、借金問題に関する初回相談を無料で受け付けており、電話やオンラインで相談できるケースも増えています。

現在の収入や借入状況を専門家に伝えることで、債務整理の可能性や返済計画の見直しなど、自分では気づかなかった解決策が見つかることもあります。

費用面が不安な場合でも、まずは無料相談を利用してアドバイスを受けてみるとよいでしょう。

早めの相談で差し押さえを防げる可能性がある

専門家へ早めに相談することで、給与や口座の差し押さえといった深刻な事態を防げる可能性があります。

弁護士や司法書士が依頼を受けると、債権者へ「受任通知」を送ることで督促を止めることができる場合があります。

その間に、返済計画の見直しや債務整理の手続きを進めることが可能です。

特に滞納が長期化する前に相談しておくことで、生活を立て直すための時間を確保できるケースもあります。

状況が悪化する前に、専門家のサポートを検討することが大切です。

まとめ|奨学金が払えない時は早めの相談が重要

奨学金の返済が苦しいと感じる状況は、決して珍しいことではありません。

収入の不安定さや生活費の増加など、さまざまな事情によって返済が難しくなるケースは少なくないからです。

大切なのは、一人で悩み続けて問題を放置しないことです。

JASSOには「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」といった救済制度が用意されており、これらを利用することで生活を立て直しながら返済を続けることができます。

また、他の借金が重なっている場合には、弁護士や司法書士などの専門家へ相談することで、債務整理などの解決策が見つかる可能性もあります。

早めに行動することで、差し押さえや保証人への影響といった深刻な事態を避けられる可能性も高まります。

まずは、JASSOの相談窓口へ連絡する、スカラネット・パーソナルで返還状況を確認するなど、できることから始めてみましょう。

適切な制度やサポートを活用することで、奨学金の悩みを解決する道はきっと見つかります。